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【コラム】癒しの天文楽

  • 掲載日:2023/04/28

天文学というと、物理学や数学の難しい世界の学問と思われがちだが、決してそんなことはない。天文学の基本は楽しく星空を眺めること。なぜなら、私たちは太古の昔から星空とともに暮らしてきた。だから、星はさまざまなシチュエーションに登場する。
 たとえば、星占いはもちろんのこと、時の流れを刻むカレンダーは、天体の運行が基になっていて、太陰暦は月の満ち欠けを、太陽暦は太陽の動きを基準にしている。また、古代遺跡の多くは、春分・夏至・秋分・冬至の日を定めるために建てられたものが多い。エジプトのピラミッドは、星の位置を示しているという。
 古典文学にも星が出てくる。清少納言の枕草子には「星は昴」という有名なくだりがある。藤原定家の明月記には、たくさんの天文現象が記述されている。音楽の世界も、星や月をモチーフにしたものが多い。ホルストの組曲惑星や、ドビッシーの月の光などは有名だ。日本にも冬の星座という唱歌がある。
 このように、星空や宇宙は、天文学や数学・物理学だけでなく、暦学、考古学、歴史学、文学、音楽、哲学まで、さまざまな学問とリンクしていて、まさに「天文楽」であることに気が付く。
 悠久の時の流れを越えて繋がる天文楽の世界に浸り、本当の美しい星空を見上げ心を癒してみてはいかが。

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