初めての星空観察 Vol.2 | 特集/コラム | 【公式】豊田の星空観察

初めての星空観察 Vol.2

  • 掲載日:2023/02/06

道具の使い方

星座早見盤の使い方
スターウォッチングの必須アイテムともいえる「星座早見盤」。しかしその使い方は、ちょっとしたコツが必要です。

  • 星座早見盤
    星座早見盤

星座早見盤の構造

星座早見盤は2枚の円盤からできていて、下側の円盤には北極星を中心とした星座図と、周囲に1月から12月までの日付目盛りが刻んであります。上の円盤には楕円形に切り抜かれた窓(地平線)と、周囲に時刻の目盛りが刻んであります。そして2枚の円盤がクルクルまわるように円の中心(天の北極)で固定してあるタイプが一般的です。
星座早見盤は、材質、形式、デザインが様々なものが市販されていますが、楕円形の窓の中央に子午線(縦の線)が付いていて高度目盛が刻んであるものを選びましょう。高度や方位の線が入ったものも、使い方に慣れてくると重宝します。

一般的な使い方

星座早見盤の使い方は、実に簡単です。星を見たい日の日付と時刻を、上の円盤を回して上の円盤に刻んである時刻目盛と下の円盤の日付目盛とを合わせるだけ。すると楕円形の窓にその時に見えている星空が現れます。
あとは、南の空を見るときは、星座早見盤の南と書いてあるところを下にして持って空にかざし、実際の星空と見比べながら星座を探すのです。
星座探しに慣れてくればこの方法でも十分見つけることができますが、初めのうちはなかなかうまくいきません。

もう一つの使い方

私たちは星座や星を探すとき、無意識のうちに方位と高度で探しています。そのどちらか…例えば方位が固定されれば、後は高度だけで探せばよいので簡単になります。
では、方位をどこに固定するか?星はほぼ24時間で天球を1回転するので、必ず南の空を通ります。だから南を向いて待っていれば、星の方からやって来てくれるのです。星が真南の空にやって来ることを南中といいますが、このとき最も高く昇るので、いちばん見つけやすくなります。
つまり、まずお目当ての星座を決めて(最初は1等星のある星座がよい)、星座早見盤でその星座の中の一番明るい星が南中する時刻を調べればよいのです。

星座早見盤の活用法

確実に星座を見つけるための星座早見盤活用法を紹介します。

(1) 星座早見盤からお目当ての星座を選ぶ。そして選んだ星座の中からいちばん明るい星を選ぶ。例えばおおいぬ座なら1等星のシリウス。
(2) 星座早見盤を回してシリウスを子午線に合わせる。
(3) 日付目盛りから今夜の日付を見つけ、それが指し示している時刻を読み取る。今夜が2月20日なら、20時40分ごろとなる。
(4) シリウスの高度を、子午線に付いている高度目盛で読み取る(約40°)。
(5) 読み取った時刻になったら、外に出て真南を向き、読み取ったシリウスの高度の40°をじゃんけん分度器(後述)で測れば、1等星シリウスは見つかる。シリウスは白い星だと知っていれば、より確実。

じゃんけん分度器を覚えよう

じゃんけん分度器
じゃんけん分度器

星の方位・高度や星と星との間隔を測るにはどうしたらよいでしょう。これらは、自分の目と二つの星を結んでできる角度で表され、正確には高度測定器や角度測定器を使います。
しかし、そんなことをしなくても、簡単に測る方法があるのです。
指をげんこつ(グー)にして腕をいっぱい伸ばします。そのときの親指から小指までの幅が約10゜です。また、思い切り指を広げたとき(パー)の親指から小指までの幅は約20゜。図のように、腕をいっぱい伸ばしたときに指の形で隠される幅で角度を測ることができます。
これを「じゃんけん分度器」と呼んでいます。全部覚える必要はありませんが、3つか4つほど覚えておくと何かと便利です。

イモヅル式星座探し

  • シリウス発見
    シリウス発見
  • おおいぬものさし
    おおいぬものさし
  • 冬空おおいぬ
    冬空おおいぬ

お目当ての星が見つかったら、星座早見盤の出番はおしまい。次は星図を使って星の配列と距離を調べながら、実際の星空で星座を探します。
じゃんけん分度器を使って、ひとつずつ星をたどっていけば、星座は見つかります。例えばおおいぬ座の場合は、次の要領です。
(1)シリウスから西(右)へ、げんこつ半分のところにある2等星が前足。
(2)つぎはお尻の星を探そう。シリウスから南東(左下)へ、げんこつ1つ分のところに、2等星がげんこつ半分の大きさの三角形に並んでいる。
(3)最後は後ろ足だ。三角形の右下の星から西(右)へ、げんこつ1つ分のところに4等星が見つかる。

双眼鏡を活用しよう
バードウォッチングやスポーツ観戦に使う双眼鏡を夜空に向けてみましょう。肉眼でははっきりわからない月のクレーターや、明るい星雲・星団を手軽に楽しむことができます。
なぜなら双眼鏡は一度に広い範囲を両目で、しかも正立像で見ることができるからです。また、ウォッチングスタイルも自由です。立ったままでも、椅子に座っても、寝転がってものぞくことができるのです。一口に双眼鏡と言っても、いろいろなタイプがあります。

ポロ型とダハ型

ポロ型とダハ型
ポロ型とダハ型

プリズム式双眼鏡には、次の2タイプがあります。
ポロ型は、2~3個の直角プリズムを組み合わせて像を正立させるタイプで、昔から作られているクラシカルな双眼鏡。
ダハ型は、光が反射する面に屋根形のダハプリズムを使って、像を正立させるタイプ。プリズムの加工が難しいためちょっと高価ですが、外観はスマート。最近主流になりつつあります。

CF型とIF型

CF型とIF型
CF型とIF型

CF(センターフォーカス)型は、左右の接眼部の中央にあるピントリングを回して、両目のピントを同時に合わせるタイプ。すばやくピントを合わせられるのが特徴。双眼鏡の大半はこのタイプです。
IF(インディビディアルフォーカス)型は、左右の接眼部にピントリングが付いていて、左右個別にピントを合わせるタイプ。CF型ほど操作性はよくありませんが、構造が簡単なので内部の機密性を高めることができるうえ、衝撃にも強いです。

倍率と視野の広さ

(1)倍率:8は8倍のこと(距離が1/8まで近づいたときの大きさと同じになる)
(2)口径:対物レンズの直径。40は40mmのこと
(3)タイプ:ピントの合わせ方の種類
     CFは中央リングで合わせるタイプ
     IFは左右別々に合わせるタイプ
(4)FIELD:覗いたときに見える範囲(実視界)
(5)1000m視界:1000m先の見える範囲をmで示してもの

双眼鏡の使い方

「手軽に使える双眼鏡」とは言っても、いいかげんな使い方をしていては、その能力を発揮することはできません。正しい使い方をマスターしましょう。

(1)眼幅の調整
両目で双眼鏡をのぞき、双眼鏡の中央を折り曲げるようにして、左右の間隔を広くしたり狭くしたりしながら、左右の目に見える視野の円がひとつに重なるようにする。
(2)ピント調整(左目)
まず右目は閉じて、視度調節リングの付いていない左側の接眼レンズを左目でのぞいて、適当な目標物を捉え、中央のピントリングを回してピントを合わせる。
(3)視度調整(右目)
次に右側の接眼レンズを右目でのぞいて今度は右の接眼レンズに付いている視度調節リングを回して右目のピントを合わせる。
これで左右の目の視度の差を調整できたので、あとは中央のピントリングでピントを合わせることができる。

双眼鏡は三脚に固定するとブレない

双眼鏡は、小さくて軽くて倍率が低いものでも、長時間のぞいていると、疲れてきてブレが大きくなってきます。
双眼鏡ののぞき方の基本は、脇をしめること。これでブレはかなり防げます。立って見るより座った方が、さらに寝ころんだ方が安定します。
また、椅子の背もたれや窓枠、車の屋根などに肘をついて固定する方法もあります。さらに確実にするには、市販の三脚アダプターを使ってカメラ三脚に固定してしまえば完璧です。これなら大勢で見ることも可能になります。

双眼鏡を選ぶときの決め手

(1)倍率は欲張らない(10倍まで)
双眼鏡は、手に持って使うことが前提です。倍率が高過ぎると、手ぶれが伝わって視野の中の星がブルブル踊ってしまい、かえってよく見えないことがあります。
星座観望用は、5倍から6倍の視野の広いものが使いやすいです。
(2)対物レンズの口径は小さすぎない(20mm以上)
何等星まで見えるかは、口径で決まります。あまり口径が小さいと暗い星や星雲がよく見えません。最低でも20mm、できれば50mmあれば言うことなしです。
(3)ズーム式は便利だがオススメしない
低倍率から高倍率まで連続的に可変できるズーム式双眼鏡は一見便利ですが、一般的に固定倍率の双眼鏡に比べて視野が狭く像が甘いことから、スターウォッチング用にはオススメできません。
特に最高倍率が40倍以上のものは問題外です。

★何が見えるの?


月の模様はもちろん大きめのクレーターもはっきりと見え、ちょっとした驚き。
小さい星座
いるか座、や座、かんむり座、こと座といった小さい星座が視野いっぱいに広がる。
星雲星団
プレアデス星団、オリオン大星雲、アンドロメダ銀河といった大型の星雲星団がよく見える。
二重星
二つの星が接近して並ぶ二重星は、双眼鏡で見えるものがたくさんある。
月食
月が欠けていく様子や、皆既中の赤い月の詳細がよくわかる。
彗星
尾を引いて見える神秘的な天体、彗星(ほうき星)。時々出現しますが、明るい彗星は双眼鏡でよりはっきり見える。

初めての星空観察 Vol.1

・星(星座)の探し方観察のポイント

・スターウォッチングのマナー

・服装・持ち物(季節ごと)


初めての星空観察 Vol.3

・撮影のコツ

・キャンプ泊をしながらの星空観察

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