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【コラム】春の星空

  • 掲載日:2023/03/10

春の大曲線を探そう
やわらかな陽ざしが、積もった雪を解かし始めると、里にも春が訪れます。雪解け水のせせらぎをBGMに、星空を仰いでみましょう。春の星座たちが、やさしげな輝きで夜空を飾っています。
北の空高くに北斗七星が昇っています。少し曲がったひしゃくの柄のカーブに沿って南に線を延ばして行くと、まず黄金色に輝くとても明るい星にぶつかります。うしかい座の主星、アルクトウルスです。さらにカーブを延ばして行くと、こんどは純白の明るい星に出会います。おとめ座の主星スピカです。そしてその先にはからす座があります。
この北斗七星からアルクトウルス・スピカを経てからす座に伸びる大きなカーブを“春の大曲線”といい、春の星座を探すときの目印になります。また、アルクトウルス、スピカとしし座のしっぽの星デネボラとを結んでできる大きな三角形を、“春の大三角”と呼んでいます。

★北斗七星が目印のおおぐま座

3月になって暖かくなってくると、熊が冬眠からさめるように、おおぐま座も北東の空に姿を見せます。5000年前のバビロニアでは、北斗七星をリヤカーにたとえて「大きな車」と呼ばれていました。おおぐま座になったのは、それから1200年ほどたってからのことです。北斗七星の柄の部分をシッポにして、3等~4等の星を結んで行くと、大きな熊の姿が浮かび上がります。女神アルテミスによってクマにされた精女カリストの変わり果てた姿を描いた星座です。

★白い1等星レグルスが目印のしし座

3月の宵、待ってましたとばかりに東の空に元気よく駆け上がるしし座。純白の1等星レグルスを中心に星が並んだ、裏返しのクエスチョンマークと、2等星のオシリの星デネボラがよく目立つ形をたどりやすい星座です。しし座は有名な星座のひとつですが、その理由はレグルスが、黄道上にある1等星としてバビロニア時代から注目され、占星術では王の運命を司る星となっていたからです。ネメアの森に住む人食いライオンを描いた星座です。

★青白い1等星スピカが目印のおとめ座

青白い清純な光を放つ1等星スピカは、まさに控え目なおとめ座の象徴です。4月の宵、うしかい座のアルクトウルスより少し遅れて昇ります。古代バビロニアではスピカの位置に麦の穂を描き、ギリシャ時代には麦の穂を持つ女神の姿を描きました。スピカとは麦の穂という意味があります。日本ではその清純な茅木から“真珠星”と呼んでいます。このスピカと、まわりの3等星を結んでできる、横倒しのYの字が目印です。正義の女神アストライアの姿でもあるといわれています。

★オレンジ色の0等星が輝くうしかい座

北斗七星から延びる春大曲線が、最初に出会うオレンジ色に輝くるい星、アルクトウルスが、うしかい座の目印です。この星と、少し北にある3つの3等星を結んでできるネクタイの形が、うしかい座の中心部になり周りの星をつないで牛飼いの姿を描き、隣のりょうけん座を合わせて2匹の猟犬とともに熊を追い払う牛飼いの姿が浮かび上がります。アルクトウルスとは“熊の番人”という意味で、日本では“麦星”と呼んでいる。巨人アトラスの姿でもあるといわれています。

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