愛知県豊田市稲武地区の緑に包まれた地に、ひっそりと佇む和菓子店「御菓子所 まつ月」。その創業は、なんと安政2年(1855年)。150年以上の歴史を守りながらも、時代の変化に寄り添い、今の暮らしにも自然と溶け込む和菓子を届け続ける、そんな老舗の魅力をご紹介します。
「素材の味・そのままの銘菓」を信条に
「まつ月」の和菓子づくりにおける信条は、「素材の味をそのままに」。
合成保存料は一切使わず、着色料も必要最低限。
自然な美味しさを大切にするからこそ、ひと口食べるごとに素材の風味がふわりと広がります。
季節ごとの素材や地元の恵みを生かした菓子には、やさしくも芯のあるこだわりが感じられます。
暮らしの中に溶け込む、上質なひととき
国道153号線を進んでいると目に入る「まつ月」の看板。
松の木と月をあしらったのれんが出迎えてくれます。
店内は木の温もりが美しく、無駄のない洗練された空間。
紫陽花などの季節の花がそっと添えられ、訪れるだけで心が和みます。お菓子を味わう前から、丁寧な時間が始まっているような感覚です。
変わらぬ伝統、新たな挑戦——店主の想い
迎えてくださったのは、8代目店主の松井公宏さん。
長い歴史の中で受け継がれてきた伝統を守りながら、現代のライフスタイルに寄り添う新しい和菓子づくりにも挑戦を続けています。
変わりゆく時代と、変わらない想い。そのどちらも丁寧に菓子に込めて届けたい——そんな誠実な想いが、お菓子ひとつひとつに表れています。
夏のおすすめ——「葛餅あいすバー」と「冷やしレモンカステラ」
暑い季節にぴったりなのが、「葛餅あいすバー」。
見た目にも涼やかなこの逸品は、抹茶や赤しそ、サイダーなど、さまざまな味が楽しめます。
例えば「丹波黒豆抹茶」は、抹茶の濃厚さと黒豆の上品な甘みが絶妙に調和。食べ進めるうちに葛餅が少しずつ柔らかくなり、もちもち感が増してくるのも楽しみのひとつです。
もうひとつのおすすめは、「冷やしレモンカステラ」。
香料を使わず、手作業で果実を取り出してつくられるこのカステラは、レモンの爽やかな香りとほんのり感じる皮の渋みが、夏の午後にぴったりの一品。冷やしていただくと、より一層風味が引き立ちます。















