百々貯木場
どうどちょぼくじょう
百々貯木場は、矢作川の中流・左岸に位置する水中貯木場で、地元の材木商・今井善六が大正7(1918)年6月に竣工しました。
現在でも貯水池、樋門、堰堤、足場用小提、引揚スロープ、製材所跡などの主要な施設を見ることができます。
河川の中流域に位置する貯木場は全国的にも珍しく、木材流送等、河川が交通に使われていた証拠として、明治~大正期に特徴的な人造石工法を用いた大規模な構造物であり貴重な遺産です。
平成9年から豊田市が指定文化財として管理運営しています。
明治時代以前から林産物の輸送は、矢作川、巴川の水運が利用されていました。矢作川筋には、長野県、岐阜県の木材や、沿岸の竹材が流送されました。
筏に組まず、目的地まで1本ずつ流す「管流し」では、材木に刻印を押して所有を明らかにし、下流の土場での作業員が拾い上げていました。百々の材木商であった今井善六は、矢作川上流で買い付けた材木を筏流しや管流しによって百々まで運び、製材して販売したり、荷受者別に筏を組みなおして河口近くの平坂(西尾市)まで送ったりしていました。しかし、出水時などには、木材が他人のものとまじりあって所有権を争ったり、下流に流れてしまったりとたびたび問題が起きました。そこで、流してきた木材の置き場として貯木場の建設を考え、大正六年、愛知県知事に建設許可願を提出し、翌七年六月に竣工しました。
出典
新修豊田市史 概要版「豊田市のあゆみ」.株式会社ぎょうせい,2008,p.277
所在地 | 〒471-0008 愛知県豊田市百々町1丁目地内 |
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電話番号 | ・豊田市郷土資料館:0565-32-6561 ・豊田市近代の産業とくらし発見館:0565-33-0301 |
駐車場 | 無し ※ 矢作川の堤防沿いには駐車できます |
公共交通機関での アクセス方法 |
名鉄豊田線「豊田市駅」から乗り換え、名鉄バス「百々町」下車。徒歩約3分 |
車でのアクセス方法 | 東名高速道路「豊田IC」より約30分 |
関連サイト | 豊田市近代の産業とくらし発見館 公式サイト「百々貯木場」詳細ページ |