蔵とともに味噌を「ひとねる(育てる)」 昔ながらを今の感性でつなぐ新たな挑戦 | 【公式】愛知県豊田市の観光サイト「ツーリズムとよた」
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<豊田>【蔵元 桝塚味噌】蔵とともに味噌を「ひとねる(育てる)」 昔ながらを今の感性でつなぐ新たな挑戦



  • 蔵元 桝塚味噌 合資会社 野田味噌商店
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味噌は面白い。家で作っても、素人なりに美味しいものができる。でも、味噌蔵で作る味噌の味わいには到底敵わない。
それはなぜか。「味噌蔵には、蔵の柱や空気中、木桶に、いろいろな微生物が住んでいるからですよ」と教えてくれたのは、桝塚味噌の若社長の野田好成さん。「大豆を蒸して、麹を作る作業って、実は4日間しかありません。あとは1年半、木桶の中で寝かすだけ。だから、味噌は、作るのではなく“ひとねる(育てる)”というのです。私たちはここで最上の環境作りをします。そこで蔵や木桶に宿るさまざまな微生物が働いて、コクや香り、旨味とともに熟成してくれるのです」。

桝塚味噌の創業は昭和3(1928)年。桶に入れた大豆を、仕込んで返すという味噌の委託加工業から始まったというから、ざっと91年分の微生物たちが住み着いている計算になる。その微生物たちが「蔵ぐせ」という個性となり、桝塚味噌の味が造られるのだ。んー、こりゃ敵わない訳だ!

桝塚味噌のように、昔ながらの木桶を使い、自然の流れに沿ってゆっくりと熟成していく方法を「天然醸造」という。
ところが、今この方法で味噌造りをしているメーカーは全国の2~3%ほどだという。多くの味噌は、人工的に麹の働きを活発にさせ、短期間で味噌を作り上げる「速醸」という方法で醸造される。これは、実は酢も同じだ。天然醸造のような味わいにはほど遠いから、添加物で味を調えている。寂しいけれど、これが現実。無理やりコントロールされたものと自然なものの味は、そりゃあね…生きものだもの、全然違いますよね。

蔵とともに味噌を「ひとねる(育てる)」 昔ながらを今の感性でつなぐ新たな挑戦

時代の変化は、道具も変えていく。昭和30年代に入ると、洗ったり乾かしたり、扱いが面倒な木桶に対し、熱を加えることで醸造時間が短縮できるプラスチックやホーロー、ステンレス容器が主流に。そのため、今では木桶を扱う職人、たがを編む職人はほとんどいなくなってしまった。廃業する味噌蔵から木桶を買い集めるなどして、15の蔵に約400本の木桶を抱える桝塚味噌も、この流れには危機感を持っていたという。
「それでも、私たちが大切にしていることを、今らしい新しいアイデアで進化させることもできるはず」と野田さん。なんと木製水槽メーカーともに、コンピュータを使った精密な加工技術で一度に18トンを醸造できる大桶を造ってしまった。しかも、地元の三河杉を使って。そこには、地元とともに生きる企業の想いが見て取れた。寸胴型で昔のものとは雰囲気も違うけど…百年先はこの木桶が桝塚味噌を支えているだろう。

見学の最後に、味噌を仕込んだ時にできる上澄み「本溜」をひとなめさせていただいた。「…‼‼」こんなに濃いのにしょっぱくない。広がりがあるうまみのカタマリだ。あまりの衝撃に全員が「欲しい!」…ということで、即購入。これ、本当におすすめ!漬け込み肉には抜群の美味しさを発揮しますよ。

もうひとつ購入したのが「とろ味噌」。味噌桶の中央部分、全体の10%程度しかとれない希少箇所を「とろ」というのだとか。直売店でしか販売していないので、ぜひ食べてみてほしい

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