豊田のお城巡りで歴史トリップ
掲載日:2024年2月27日(火)
こんにちは!フランス出身のアンジーと申します。現在は豊田市役所国際まちづくり推進課で働いています。今回の記事では、私が「豊田御城印プロジェクト」に参加して訪れた、豊田市内のお城(城跡)や観光スポットについてご紹介します
豊田御城印プロジェクト
豊田市には150以上のお城(城跡)があることはご存知でしょうか?
ツーリズムとよたでは、豊田市の歴史を感じることができる城跡を巡りながら、御城印集めも楽しむことができる「御城印プロジェクト」を実施しています。
数多くのお城の中から地域がおすすめする12城について、お城にゆかりのある家紋や絵柄をデザインして作成された「御城印」を購入することができます。
私は12城全てを訪れ、御城印を集めながら近隣の観光スポットやグルメを楽しむことができました。
日本のお城
豊田市のお城を紹介する前に、日本のお城について学びましょう!
「お城」と聞くと、名古屋城や姫路城などの有名で大きいお城が頭に浮かぶでしょう。でも、日本のお城は全て大きく、天守や櫓があるわけではありません。
お城には、大きく分けると3種類あります。
一つ目の「山城」は、山の上に築かれたお城です。高い場所まで資材や食料を運ぶことは大変だったと思いますが、山の地形を生かした防御力の高いお城でした。そのため、戦いが多かった戦国時代までは山城が多くありました。
二つ目の「平山城」は、地形の防御と利便性のバランスがとれたお城です。
そして三つ目の「平城」は、戦いの少ない平和な時代に築かれたため防御を優先しておらず、行きやすく便利な場所にあります。また、権力の象徴でもあったため、人々から見られることを意識していて建築物として素晴らしいお城が多いです。
フランスのお城
日本とフランスのお城には一部共通点があります。フランスにも、防御を目的としたお城(城塞)と、王様や貴族の居住(宮殿のようなお城)を目的としたお城の両方があります。前者は中世に遡ります。石で作られ、城壁、櫓、跳ね橋などがあります。私の出身地のオクシタニー州にある「城塞都市カルカソンヌ」(写真右)もその一つです。
そして後者は、防御のためではなく宮殿として贅沢に築かれ、高度な建築技術を使ったお城です。バロック建築様式のヴェルサイユ宮殿(フランス語でヴェルサイユ城と呼ばれています)はその有名な例です。
豊田市のお城
それでは、私が訪れた豊田市のお城(城跡)とおすすめの観光スポットやグルメを紹介します。
最初に訪れたのは桜城です。現在残っているのは櫓台の石垣だけですが、周辺は公園として整備され、時折イベントも開催されます。公園には桜が多いので、春にぜひ訪問してみてください。
七州城は、三河・尾張・美濃・信濃・伊賀・伊勢・近江の7つの国が望めることからその名がついています。元櫓台の石垣の上に隅櫓が再建されていました。豊田市美術館の隣にあるので、同時に訪問するのがおすすめです!
上野城は15世紀に築かれたと言われています。到着してすぐ鳥居が目に入りましたが、城跡に神社があるからです。山城ではないので気軽に行けます。
寺部城も15世紀に築城されました。敷地内の建物には母屋、書院、茶席、土蔵があったそうです。訪れる際には、「寺部城址の森」でイロハモミジ、シラカシ、ムクノキなどの木々を楽しみながら散歩をするのがおすすめです。
次からは、豊田市内の山間部にある山城を紹介していきます。
松平地区にある松平城は、歴史に興味がある方におすすめです。徳川家康の先祖である松平親氏によって築城されました。室町時代の典型的な山城であったと推測されていて、日頃は松平郷の居館に住み、戦いになるとこの城にたてこもったと言われています。
近くにある松平東照宮と高月院にも訪れて参拝しましょう。私は日本の神社とお寺が好きなので、自然に囲まれる松平郷の訪問は素晴らしかったです。秋になると東照宮は特に美しいですが、どの季節でも拝殿の豪華絢爛な天井を見ることができます。安藤則義氏が描いた松平で見られる草花の108枚の漆絵が天井を飾っています。
こちらも松平地区にある大給城は、今回紹介する中で比較的大規模な山城です。約200mの標高の高い位置であることから、当時は軍事的に重要な役割を果たしていたことがわかります。登るのは少し大変なのですが、頂上からの景色は、それだけの価値があります。
藤岡地区にある川口城は、急な坂のため息切れしながら登らなければいけませんでしたが、頂上に着くと矢作川の素晴らしい景色が望めます。
足助区にある足助城は、こちらも歴史が好きな方に必見のスポットです。真弓山の山頂に位置し、15世紀以降に鈴木氏によって築かれたと考えられていますが、1590年に廃城となりました。日本で初めて復元された山城で、櫓、居住、台所、防御のさまざまな施設なども見ることができます。訪れると、かつての山城が実際にどんな様子だったかがわかります。足助城を見学した時は、まるで戦国時代にタイムスリップしたような感じがしました。やはり、戦国時代は戦いが多かったため、防御力が重要視されていました。
下山区にある大桑城は、現在残っている空堀や土塁から、防御に適したお城であったことが分かります。今は森林浴にもピッタリな場所だと思います。
また、大桑城を訪れる際には、三河湖にある「ドライブインやまびこ」がおすすめです。五平餅ランチには、下山の特徴的な大わらじ型の五平餅なだけでなく、鮎、刺身こんにゃく、季節の野菜などもいただけます。五平餅の大きさに本当に驚きました!下山地区に行ったときには食べるべきものだと思います。やまびこへ行く途中、三河湖の美しい景色も楽しめます。
小原地区にある市場城は、秋に行ったら、四季桜と紅葉の美しいコントラストを見ることができます。頂上付近では、美しい景色を見ながら静かなピクニックを楽しむのにいいスポットです。
また、小原地区で四季桜を見るなら川見四季桜の里がおすすめです。ここは四季桜が最も多い場所です。私は、四季桜と紅葉を一緒に見ることが初めてで、とても感動しました。
小原地区で気に入った体験といえば、小原和紙のふるさとです。そこで、小原和紙工芸を体験することができました。自分で和紙を作ったことを自慢したいです。
近くにある小原庵での昼ご飯もおすすめです。そこでは、新鮮で季節の食材を使用した美味しい和食ランチをいただきました。
旭区にある小渡城は、標高240mに位置しており、登るのに少し時間がかかりますが、旭地区の風景や地蔵の並ぶ道を楽しみながら登ることができます。
あわせて増福寺も訪れる価値があります。多くの風鈴があることから風鈴寺とも呼ばれており、夏のイベント「小渡夢かけ風鈴」も人気があります。イベントの期間中、風鈴とその音が響き渡る旭地区がにぎやかな雰囲気に包まれます。
最後に紹介するのは、稲武地区にある戦国時代に築かれた武節城です。武田勝頼とゆかりがあります。
近くには道の駅「どんぐりの里いなぶ」があり、天然温泉の「どんぐりの湯」や新鮮な農産物が購入できる「どんぐり横丁」などがあります。
こちらも近くにある「グロ―ティールイナブ」では、美味しい昼食を楽しみながら、足湯も利用できます。私が訪問した時には、すぐに落ち着くことができるラベンダーの匂いがしました。
これで、豊田御城印プロジェクトの12城をご紹介しました!12城を訪問したり、一つ一つの御城印を集めたりするのが楽しかったです。このプロジェクトを通じて、豊田市のさまざまな地域を巡り、その魅力を発見できます。私自身は、豊田市の知らなかった場所をたくさん見つけられました!
最後に、私が豊田市の地域を巡って作った紹介動画も見てください!